Q&A
ここでは、よくある質問に対してお答えします。
性病について
Q1:「性病」にはどんなものがありますか?
A:以前「性病」と呼ばれていた疾患は梅毒、淋病、軟性下疳、鼠径リンパ肉芽腫の4種類ですが、最近ではヘルペス(陰部疱疹)、クラミジア、カンジダ、尖形コンジローム、トリコモナス、AIDなどから、毛虱、ウィルス性肝炎等まで性行為で感染する全ての疾患を大きく含めてSTD (Sexually Transmitted Diseases)として扱うのが普通です。
Q2:「最近クラミジアが増えているそうですが、どんな病気ですか?
A:クラミジア・トラコマチスという細菌で起こる病気です。この細菌は生きた細胞に寄生して増殖するという、ウィルスに大変よく似た性質を持ち、症状が潜行して表れ難いのが特徴です。
症状は感染した部位により色々で、男性では尿道炎、副睾丸炎、女性では子宮頚管炎、卵管炎などを起こし、目に感染するとトラコーマと呼ばれる結膜炎の病原体であり、子供では肺炎を起こすこともあります。
ちなみに以前「鼠径リンパ肉芽腫」と呼ばれたものは、クラミジアによる鼠径部のリンパ節の炎症です。クラミジアの場合はどの疾患においても症状が比較的軽く、慢性的に進行するため、発見、治療が遅れ不妊の原因になったりすることもあり、注意が必要です。
Q3:陰茎にブツブツが出来たのですが。
A:一般的に言えば、イボのように盛り上がって痛みの無いのが尖圭コンジローム、じくじくして痛みのあるのがヘルペスと考えれば良いと思います。
いずれにしても性交渉で人から人へ移りますので早急に治療を受ける必要があります。
Q4:性病が心配で検査を受けたいのですが、どうすれば良いですか?
A:まず、受診して診察を受けましょう。
ヘルペスや尖圭コンジロームは見るだけでも診断は可能です。
尿道炎の症状があれば尿の顕微鏡検査と尿中の淋菌、クラミジアのDNA検査を行い、診断が確定します。
症状の無いクラミジアや梅毒、AIDSのように抗体の検査で診断するものは抗体価が上がるまで少し時間がかかりますので、感染機会の直後にいっても検査は出来ません。
梅毒、クラミジアで薬1ヶ月、AIDSでは2ヶ月以上経ってからの方が確かです。
腎臓疾患について
Q1:膀胱炎は一度かかると癖になりますか?
A:女性に多い急性の膀胱炎は、一旦完治すれば後遺症も無く癖にもなりません。
ただ、風邪をひきやすい人がいるように、膀胱炎もかかりやすい人がいます。 このような人は一年間に 何度も膀胱炎を起こす事がありますが、それは全て急性膀胱炎の繰り返しです。
膀胱炎を起こさないためには 水分をしっかり摂って排尿の間隔が長くならないようにする事が大切です。
Q2:CKDとは何の事ですか?
A:慢性腎疾患(Chronic
Kidney Disease)の略です。
症状が全く無いままに腎臓の機能が低下し、腎不全となって透析や腎移植が必要となる事もあり、 早期の診断と治療が必要です。
Q3:CKDは一生治らない病気ですか?
A:CKDの原因となる疾患は糖尿病や慢性腎炎、高血圧など色々ですが、
そのどれをとっても完全に治る病気ではありません。
きちんとした管理を行う事によって腎臓に与える悪影響を最小限に抑え、透析をせずに済むようにしたり、 透析に入る時期を遅らせたりする事はできます。
Q4:いったん人工透析を始めると、生涯続けなければならないのですか?
A:大きな事故の後や、ショック、中毒など様々な原因により腎臓の機能が急激に悪くなった
急性腎不全と呼ばれる状態の場合は、腎臓の機能が回復すれば透析からの離脱が可能です。
一方、糖尿病や慢性腎炎などの慢性疾患が原因で起こった慢性腎不全では、腎臓が完全に萎縮して小さくなっていて回復は望めません。
したがって生涯透析を受けるか、腎移植を受けるかどちらかの治療が必要です。
その他
Q1:3歳の男の子です。他の子供と比べるとおちんちんが小さいようなのですが?
A:少し太り気味で恥骨の前の脂肪が多い子の場合、陰茎が脂肪の中に埋まってしまって、
見かけ上おちんちんが小さく見える事がよくあります。
これは、脂肪に埋まったおちんちんを手でつまんでみればよく分かります。
おちんちんが成長するのは小学校高学年から中学校にかけて、声変わりが起こり体毛が生え、男性としての特徴が出てくる頃からです。
子供の頃の大きさと大人になってからの大きさは全く無関係ですので、ご心配なく。
Q2:健康診断で潜在性の糖尿病と言われたのですが、どうすれば良いですか?
A:細胞が生きていくためには欠かせない栄養素がブドウ糖で、このブドウ糖を細胞内に取り込むためにはインスリンという物質が必要です。
このインスリンを分泌する力が弱い人が糖尿病です。
糖尿病ではブドウ糖を利用する力が弱いため、利用できないブドウ糖が血中にいつまでも残って高血糖となり、その一部が尿に排出されて尿糖になります。
インスリンの分泌機能は弱まっているが、血糖の上昇や尿糖などの目に見える症状がまだ起こっていないのが潜在性の糖尿病で、基本的には糖尿病との区別はありません。
そのため症状が発現して全身的な様々な異常が起こらないように、厳重な食事管理と運動療法が必要です。
Q3:男性更年期障害とはどんな病気ですか。
A:年齢が高くなると内性器(女性では卵巣、男性では精巣)の働きが衰え、ホルモンの分泌が次第に減少してきます。そのため体内のホルモン環境が変化し、それに伴い各種の臓器の働きが変化します。これが更年期です。そのため更年期は誰にでも起こることですが、この変化に上手く対応できずに、色々な体調の不良を起こすのを更年期障害といいます。
女性の場合は閉経という決定的な変化があり診断は容易ですが、男性の場合は典型的な症状は無く、診断の方法も確定していないため、ただの体調不良とされていることも多いと思います。
Q4:男性更年期障害の治療は?
A:女性の場合は体調の変化が急で、症状の強い人も多いため、少量の女性ホルモン剤を投与するホルモン補充療法が行われることもあります。
男性でも男性ホルモン注射などのホルモン補充療法が行われることもありますが、女性に比べると比較的症状が軽い場合が多いため、ホルモン補充療法は、血液検査で血中のホルモン濃度が低い人にのみ適応とされています。症状の軽い場合はビタミン剤や漢方薬で穏やかに体質改善をはかるのが良いと思います。
当院では男性更年期障害の相談や治療も行っておりますので、お悩みの方はご相談下さい。